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5時16分。一服剣で、受け月と明けの明星が消え、荘厳な朝焼けに鹿島槍ヶ岳がシルエットで浮かび、夜が明けました。
6時、前剣着。ここから本峰までは、何カ所か緊張する岩場があります。息子に「先に行こうか」と声をかけると、「いいよ」と言われました。いかんいかん、山岳部の生徒には、「おれはおまえらの旅行の添乗員でも、山岳ガイドでもないんや」と距離が保てるのに、ついついガイドしてしまいます。そんな私のことなど関係なく、息子は軽やかに岩場を越えていきました。 7時30分、剣岳に登頂しました。 秋の剣岳は、空気の澄んだ感じが心地よく、遠くまでくっきり見通せます。後立山の白馬と鹿島槍、遠く富士山と南アルプス、立山の向こうには槍と穂高、笠ヶ岳に重なって乗鞍、どっしりとした薬師、遠くに白山、眼下には富山湾から能登半島への海岸線。近くに視線を移せば、この山頂の一点をめざす早月尾根、小窓尾根、毛勝からの北方稜線、八峰、長治郎谷、源治郎尾根、平蔵谷。 理科総合Bの氷河地形の授業で使用するビデオを撮った後、お餞別をくれたおばあちゃんへのビデオレターを撮りました。きっとこれを見たおばあちゃん(私の母ですが)は喜んで、また次回も・・・と、悪知恵をはたらかせる父親にあきれる息子でした。 慎重に下山し、剣沢のテントを撤収し、14時にみくりが池温泉山荘に着きました。おばあちゃんのおかげで、ちょっとリッチに日本一高所の温泉で一泊です。 まずはのんびり温泉、喫茶店で弥陀ヶ原を眺めながらブルーベリーソフトクリームで乾杯、ゆっくり夕食、そして爆睡でした。9時間寝て、起きたら4時。立山の上のオリオン座を楽しんで、冷えた体を温泉で温めて、朝食でした。 ロープ-ウェイで、黒四ダムに下りて、信濃大町から松本へ。ここで先に東京方面の特急が来た息子をホームから見送り、三日間の山行は終わりました。
by anisakis51
| 2009-09-19 17:20
| 自然を歩く
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